本記事で紹介する本
さて前回は数学、物理学の歴史の本をご紹介しました。今回は、化学、生物学、工学、医学の歴史の本をご紹介したいと思います。
化学の歴史 アイザック・アシモフ
キーワード:化学史
著者のアイザック・アシモフ先生は言わずと知れた「I, Robot(われはロボット)」で有名な方です。実は、アシモフ先生はロボット関係の方ではなくて、ボストン大学の医学部で生化学の教授をしていました。教授職の傍らで執筆活動をしており、今では執筆の方で有名になっています。古代の火の発見や錬金術など、現在までに至る、化学の歴史を一望する本となっています。化学表のメンデレーエフなど、高校の教科書に載っているレベルの化学がいかにして生まれたか、が分かる本となっています。ダイナマイトや核反応などがどのように生み出され、平和利用がされた一方で、戦争でどのように使われたか、は科学に携わる者として知るべき内容ではないかと思います。
生物学の歴史 アイザック・アシモフ
キーワード:生物学史
こちらもアシモフ先生の本です。こちらは、生物学の歴史を一望する本です。古代のアルクマエオンの発生学、アリストテレスの博物学、リンネの分類学、ダーウィンの進化論など、現在の生物学がいかにして生まれたかが記載されています。こちらも同じですが、ゴルトンが(ダーウィンの従兄弟)報告した優生学が、世界大戦に及ぼした影響は、こちらも科学者としては知るべき知識ではないかと思います。また、DNAなどの昨今の分子生物学の隆盛についても、記載されています。
工学の歴史―機械工学を中心に 三輪 修三
キーワード:工学史、日本工学史、機械工学
著者の三輪先生は明石製作所→青山学院大学教授→副学長→名誉教授となられた方で、専門は機械振動学や音楽音響などだそうです。副題にもありますが、主に機械工学の歴史を一望する本です。古代中国の機械技術から始まり、ニュートン、ニューコメンの産業革命時の機械技術などについて記載されています。また、この本の特徴として、日本の工学史についても書かれている、ことも重要です。ヘンリーダイアーなどに始まる日本の工学部の創設の話などは、読み物として面白いです。また、芸術で有名なレオナルド・ダビンチは、実は軍事技術者だったということなども書かれています。
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